水のコラム
トイレで発生している異音の原因は?異音ごとの対処法も解説
ご自宅のトイレを使用した際に、いつもと違う音が聞こえたら心配になりますよね。
「どこかに異常があるのだろうか……」「放置しても大丈夫かな?」といった疑問も出てくるでしょう。
本記事では、そのような異音が発生する原因と対処法を解説します。
トイレのトラブルを悪化させないためにも、ぜひ最後までご覧ください。
目次
トイレで発生する異音の原因
まずは、トイレから異音が発生する原因を解説します。
実際に聞こえてきた音に近いものをチェックしてみてください。
原因①水漏れ
トイレの水を流したときにタンク内から「チョロチョロ」という音が聞こえる場合は、水漏れが起きているかもしれません。
その原因として、以下のような部品の劣化が考えられます。
劣化している可能性が高い部品
名称 | 役割 |
ボールタップ | トイレタンクの水を給水・止水する |
フロートバルブ | 水洗レバーを引いたときに便器内に水を流したり、一定量で止めたりする |
タンクからの水漏れを放置すると、内部の部品がさらに劣化するだけでなく、水の使用量が増え、水道料金が高くなるおそれがあります。
無駄なコストがかからないようにするためにも、早めの対処が必要です。
原因②排水管のつまり
排水管がつまり、水と空気が混ざると「ゴポゴポ」という異音が鳴ることがあります。
水の流れに異常がなければ問題ありませんが、いつもより流れが悪い場合は、つまりを除去しなければなりません。
主なつまりの原因として、トイレットペーパーの過剰使用が挙げられます。
特に近年は、水圧を抑えた節水型のトイレも多いため、数回に分けて流すことを心がけましょう。
原因③寒暖差による排水管の膨張
冬の時期にトイレの配管から「カンカン」や「コンコン」といった異音が聞こえることがあります。
この音は、冷気で冷えた配管内に温かい水が流れ、膨張した排水管が壁にぶつかることで発生します。
温度変化による物理的な反応であるため、気にならない場合は放置しても特に問題はありません。
しかし、あまりにも音が気になる場合や、冬の時期以外でも異音が続く場合は、水道修理業者に状態を見てもらうことをおすすめします。
原因④ダイヤフラムの劣化・故障
トイレタンクから「シュー」という空気が抜けるような音が聞こえる場合は、ダイヤフラムの劣化、または故障が疑われます。
ダイヤフラムとは、水の圧力や流量を調整するための部品です。
この部品が劣化していると、流水の量をうまく調節できず、トイレの水が止まらなくなることがあります。
そのまま放置すると、深刻な水漏れにつながるおそれがあるため、新品のものに交換しましょう。
原因⑤共鳴現象
配管から「ゴー」や「ブーン」といった音が聞こえたことはありませんか?
その原因は“共鳴現象”によるものかもしれません。
共鳴現象とは、トイレタンクの部品の劣化によって起こる振動が、配管に伝わることで発生する現象です。
特に、建物の築年数が経ち、配管が古くなっている場合や、配管の接続部分が緩んでいる場合に起こる可能性があります。
異音が大きいと近隣住民に迷惑をかけるおそれもあるため、早急に対処が求められます。
原因⑥ウォーターハンマー現象
トイレの水を流した際に「ゴン」や「ガンッ」といった衝撃音が聞こえる場合は、ウォーターハンマー現象が起きている可能性が高いでしょう。
この現象は、水の流れが急に止まったことによる配管内の圧力上昇が原因で発生します。
こうした衝撃が頻繁に繰り返されると、配管が破裂するおそれがあるため、要注意です。
原因⑦給排水設備の劣化・破損
トイレの壁から「ポタポタ」という音が聞こえる場合は、トイレ自体に問題があるわけではなく、給排水管設備のトラブルが原因かもしれません。
壁の中を通っている配管の接続部分が劣化、または破損したことが原因で、異音が発生します。
アパートやマンションといった集合住宅の場合は、同じ配管を共有しているため、放置すると建物全体でトラブルが生じるおそれがあります。
なお、この異音の原因を特定できたとしても、自力での修理は難しいため、水道修理業者に依頼しましょう。
トイレで発生する異音の対処法
トイレの異音が発生する原因がわかったところで、続いては、状況に応じた対処法を解説します。
①「チョロチョロ」という異音の場合
「チョロチョロ」という音が聞こえる場合は、まずタンク内の水位を確認してみてください。
通常、タンク内の水位は、オーバーフロー管に刻印された「WL(Water Line)」の高さまであります。
それよりも水位が高い場合は、水を供給するボールタップに不具合があり、逆に低い場合は水位を調整するフロートバルブの劣化が考えられます。
これらの部品を新品のものに交換することで異音は収まるので、以下の道具を準備して修理していきましょう。
修理に必要な道具
- 交換する新品の部品
- ドライバー
- モンキーレンチ
- ゴム手袋
- タオル・雑巾
交換する部品は、ホームセンターやトイレメーカーの公式サイトから購入できますが、トイレの型式によって種類が違うため、事前によく確認することが大切です。
これらの道具を使用して交換作業を進める際の手順は、以下の通りです。
ボールタップとフロートバルブそれぞれの交換方法をお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
ボールタップの交換手順
- 止水栓を閉める
- タンクの蓋を外す
- レバーを回してタンクの水を抜く
- モンキーレンチを使用してナットを外す
- 古いボールタップを取り外す
- 新品のボールタップを取り付ける
- 止水栓を開いて水位を確認する
- 問題がなければタンクの蓋を戻す
フロートバルブの交換手順
- 止水栓を閉める
- タンクの蓋を外す
- レバーを回してタンクの水を抜く
- 古いフロートバルブを取り外す
- 新品のフロートバルブのチェーンの長さを調整する
- 新品のフロートバルブを取り付ける
- 止水栓を開いて水位を確認する
- 問題がなければタンクの蓋を戻す
これらの部品を交換しても異音が解消されない場合は、タンク下部のゴムパッキンが劣化しているかもしれません。
しかし、ゴムパッキンの交換は難易度が高いため、水道修理業者に相談することがおすすめです。
②「ゴポゴポ」という異音の場合
「ゴポゴポ」という異音を解消するためには、排水管のつまりを除去しなければなりません。
つまりの原因がトイレットペーパーの場合は、バケツにお湯を溜めて流す、重曹とクエン酸を使用するといった方法で解決する可能性があります。
どちらも手間をかけずにできるので、以下の手順で試してみてください。
バケツにお湯を溜めて流す方法
- バケツに40~50℃のお湯を溜める
- トイレにお湯を流し入れる
- 水位が下がったら再度お湯を入れる
- 1時間ほど放置する
- トイレの水が正常に流れるかを確認する
重曹とクエン酸を使用する方法
- 便器の水溜まり部分に重曹50mLを入れる
- その上からクエン酸100mLを振りかける
- 50~60℃のお湯を注ぐ
- 1時間ほど放置する
- トイレの水が正常に流れるかを確認する
トイレのような密室で重曹とクエン酸を使用する場合は、炭酸ガスによる体調不良を防ぐために、必ず換気をしましょう。
③「カンカン」という異音の場合
冬の時期によく聞こえる「カンカン」という異音は、季節が変わると自然に収まることが多いので、特に修理を行う必要はありません。
しかし、あまりにも音が大きくて気になる場合や、冬の時期以外にも音が続く場合は、住宅の構造に詳しいリフォーム会社に相談してみてください。
④「シュー」という異音の場合
「シュー」という異音が聞こえる場合は、ダイヤフラムを交換することで解消します。
ご自身で交換する際は、以下の手順を参考にしてみてください。
ダイヤフラムの交換手順
- 止水栓を閉める
- タンクの水を全て流す
- タンクの蓋を開ける
- ボールタップカバーを取り外す
- 浮き球レバーを取り外す
- ナットを手で回して取り外す
- 古いダイヤフラムを取り外し、新品のものを取り付ける
- カバーとタンクの蓋をもとに戻す
- 止水栓を開けて異音が解消されているかを確認する
ダイヤフラムの種類は豊富なため、しっかりと適合するものを確認してから購入しましょう。
⑤「ゴー」という異音の場合
「ゴー」や「ブーン」という音は、原因を特定するのが困難です。
トイレタンク内のボールタップやパッキンを交換することで解消する場合もありますが、これらの部品は浮き球に連結しているため、複雑な作業が伴います。
このような異音が聞こえたら、できるだけ早い段階で水道修理業者に依頼するのがおすすめです。
⑥「ゴン」という異音の場合
「ゴン」や「ガンッ」といった衝撃音は、止水栓に水撃防止装置を設置するか、配管を新品のものに交換することで改善が見込めます。
これらの作業には専門的な知識と技術が必要なため、給湯器や水道管の破損を引き起こす前に水道修理業者に相談しましょう。
また、集合住宅にお住まいの場合は近隣住民にも影響を及ぼすおそれがあるので、事前に管理会社にも連絡しておくと安心です。
トイレの異音を放置するとどうなる?
トイレの異音を放置すると、さまざまなトラブルに発展するおそれがあります。
ここでは、異音を放置するリスクについて見ていきましょう。
トイレの不具合が悪化する
トイレからの異音が続く場合、内部のパーツやパッキンが徐々に劣化している可能性あります。
このような状態を放置すると、最終的には水漏れという深刻なトラブルにつながりかねません。
水漏れは、床や壁が損傷するだけでなく、階下にまで漏水被害が拡大するケースもあるため、早めの対応が必要です。
水道料金が高くなる
トイレの異音を放置して水漏れが起こった場合は、水道料金に思わぬ影響を与えるでしょう。
わずかな漏れであっても、1か月も経てば、数千円の余計な費用が発生する可能性があります。
水の無駄遣いは環境への配慮という観点からも問題があるため、早急に対処したいところです。
トイレの修理費用が高くなる
水漏れが進行すると、床材の張り替えが必要になり、修理費用が高くなる場合があります。
また、トイレのつまりも悪化すると、高圧洗浄や便器の取り外しといった大掛かりな作業が伴うため、高コストになりがちです。
余計な出費を回避するためにも、異常に気づいた段階で対処することが大切です。
トイレの異音を防ぐためのポイント
トイレの異音は、大きなトラブルが起こる前兆なので、異音を防ぐことはそのあとのトラブル防止にもつながります。
大きなトラブルに発展する前に、以下のポイントを押さえておきましょう。
トイレを定期的に掃除する
トイレの異音を防ぐためには、定期的な掃除が欠かせません。
汚れや水垢が付着していると部品の動きが悪くなり、異音の原因になります。
便器の表面だけでなく、タンクと便器の接合部やフチの裏側など、見えにくい部分まで丁寧に掃除しましょう。
中性洗剤を使って、優しく汚れを落とすのがポイントです。
トイレタンクを点検する
月に1回を目安にトイレタンクの内部を点検しておくことで、トラブルを未然に防げます。
フロートバルブやボールタップの動作に異常がないか、パッキン類に劣化や損傷がないかを確認してください。
内部の汚れがひどい場合は、水道修理のプロに依頼しましょう。
大量のトイレットペーパーを一度に流さない
大量のトイレットペーパーを一度に流すと、排水管内でつまりやすくなり、「ゴポゴポ」という異音の原因になります。
そのため、適切な使用量を保ち、数回に分けて流すことを心がけましょう。
また、ティッシュペーパーやおむつ、生理用品など水に溶けないものを誤って流すと深刻なつまりにつながるため、決して流さないように気をつけてください。
少しの油断が思わぬトラブルを招きます。
トイレの不具合の前兆を把握する
トイレの水漏れや異常なニオイは、トラブルが進行しているサインです。
「トイレ周辺の床が濡れている」「不快なニオイが漂う」「水の流れる音が普段と違う」といった異変に気がついたら、早めの対応することが大切です。
早期発見・早期対処が深刻なトラブルの防止につながります。
無理な節水を行わない
トイレで無理に節水をしようとすると、かえってつまりや不具合の原因になります。
タンクの中にペットボトルを入れて貯水量を減らす方法が有名ですが、水流を妨害して流れが悪くなるので絶対に避けてください。
このような無理な方法で節水をせずとも、大と小のレバーを使い分けるだけでも、十分な節水効果が期待できます。
トイレが故障したら本末転倒ですから、安全に正しく節水するように心がけましょう。
トイレの異音が止まらない場合はどうする?
無理に自力で修理すると、かえって状態を悪化するおそれがあります。
異音が止まらない場合や自分での対処が難しい場合は、早めに水道修理業者に依頼しましょう。
水道修理業者に依頼する際のポイント
最後に、水道修理業者に依頼する際のポイントを紹介します。
信頼できる業者を探すときは、以下の点をチェックしておくと安心です。
相見積もりをとる
依頼する水道修理業者を決める際は、複数の業者で相見積もりを取ることが大切です。
1社のみだと、修理費用が内容に見合っているかを判断できません。
必ず複数社の見積もりを取り、適正価格だと判断した業者に依頼しましょう。
水道修理業者のホームページを確認する
水道修理業者を選ぶ際は、必ずホームページもチェックしておきたいところです。
多くの業者がホームページを持っていますが、サービス内容しか記載がなく、会社の実態が見えないケースもあります。
住所や実績、代表者名といった基本的な会社情報がしっかりと明記されているかを確認してみてください。
これらが掲載されていない業者は、依頼後に連絡が取れなくなる場合があるため注意が必要です。
口コミを確認する
ホームページの情報だけでなく、実際にサービスを利用した方の口コミもチェックしておくとよいでしょう。
口コミからは、利用者のリアルな感想や対応の様子など貴重な情報が得られます。
ただし、なかには信ぴょう性に欠ける内容が含まれている場合もあるため、すべてを鵜呑みにせず、あくまで参考程度にとどめておくことが大切です。
水道局指定工事店かどうかを確認する
より信頼できる業者に依頼したい場合は、水道局指定工事店を選ぶのがおすすめです。
水道局指定工事店とは、水道局から“適切に水道関連の工事を行える”と認可された業者のことを指します。
この指定を受けるには、全国共通の指定要件を満たす必要があるため、それだけの技術力と信頼性を備えている証といえます。
また、非指定業者よりも対応できる業務の範囲が広く、予想に反して大規模な修理が必要になった場合でも安心して任せられるでしょう。
水道局指定工事店は、お住まいの地域の水道局のウェブサイトから確認できるので、事前にチェックしてみてください。
トイレの異音にお困りならみやざき水道職人にお任せください
今回は、トイレから異音が発生する原因とその対処法について紹介しました。
トイレの異音は種類によって原因が異なりますが、放置すると深刻なトラブルにつながる可能性があります。
状態によっては自力で対処できるケースもありますが、異音が続く場合や水漏れが起きている場合は、早めに水道修理業者に相談しましょう。
宮崎県でトイレの異音にお悩みの方は、みやざき水道職人にお任せください。
当店は365日24時間、水回りのトラブルに関するお問い合わせを受け付けております。
お困りの際は、いつでもお気軽にご相談ください。
監修者

主任
甲斐 祐耶
《略歴》
2019年から株式会社N-Visionにて水道メンテナンス業に従事。
社内研修をクリアした高い専門性を有し、水漏れやつまりなどの水道トラブルを累計1,000件以上解決してきたプロフェッショナル。
業界未経験から実績を積み上げ主任に昇格し、お客様からの評判もよく、社内での信頼も厚い。
宮崎県で水回りのトラブルにお困りまでしたら、みやざき水道職人にお任せください。
宮崎のトイレのつまり・水漏れは、水道修理の専門店「みやざき水道職人(宮崎水道職人)」
