水のコラム
お湯の出しっぱなしでガスが止まるの?水道代やガス代も解説
ついうっかりお湯を出したままにしてしまい、そのまま忘れてしまった経験をお持ちの方がいるかもしれません。その場合、ガスはオートストップしてしまうのでしょうか。また並行して水漏れの心配もあります。
今回は、お湯を出しっぱなしにしてしまった場合のガスの状況と水道代金やガス代金についても解説します。
お湯の出しっぱなしでガスが止まるのか
浴槽のお湯を長い間出しっぱなしにした状態で、ガスが停止することはあるのでしょうか。以下よりお湯を出しっぱなしにしたときのガスの状況を解説していきます。
実際はお湯を出しっぱなしにするとガスは自然に止まるように作られています。よって、ガスを出し続けることで危険な状況になることは避けられるでしょう。
ガスにはガスメーター装置が取り付けられています。ガスメーターは原則ガスの使用量を量ることですが、他にも大事な役目を持っています。
それがガスを止める役目です。実際のところ震度5くらいの地震が起こった場合、大量のガス漏れが生じた場合、ガス機器を長い時間使った場合です。以上に当てはまる状態の場合にオートマチックにガス供給を止める安全システムが稼働するように作られています。
お湯の出しっぱなし状態は3項目の状況に当たるので、現実的には「24時間ずっとガスを使い続けた」ということは起こらないようになっています。
仮にガスの消し忘れで安全システムが動いてしまいオートマチックに供給が停止されてしまっても大丈夫です。ガスを復旧する作業はさほど難しくありません。
ガスを復旧する方法は取扱説明書に記されていたり、ネット上の動画で紹介されていたりするので、その案内に従って対応してください。
お湯が出しっぱなしだった場合の水道・ガス代金
お湯を出しっぱなしにしたケースでは、ガスがオートストップするので、危険な状況になることは低いと説明しました。ただし出続けただけの水道代金とガス代金は当然ながら請求されることになります。
水道料については減免措置と言われる制度が存在し、条件が整えば水道料が免除になる場合があります。ただし、その条件は「地下埋設箇所での水道管破裂などによる水漏れ」に限定されていて、出しっぱなし事故は利用者の不注意事項になるので当然減免措置の適用外です。
それでは、お湯を出しっぱなしにしたケースの水道代金とガス代金の価格相場を解説します。各自治体によって、水圧が違い若干の差がありますので参考レベルにしてください。本記事では60秒間水道を出しっぱなしにしたときの水分量を10リットル、その際の水道料を2円程度として解説します。
ガスの使用料についても契約中の専門業者によって若干の差がありますが、平均で60秒間6.8円くらいとして説明します。
60分間出しっぱなしにした場合だと水道料が120円、ガス料が408円、合計額で528円です。6時間出しっぱなしにした場合だと水道料が708円、ガス料が2,454円、合計額で3,174円です。
24時間出しっぱなしにした場合だと水道料が2,880円、ガス料が9,816円、合計額で1万2,696円にまで上りますので、落差がかなりあります。
お湯の締め忘れは、1度でもかなり大きな金額になることがわかります。使っていない場合は、定期的に水道とガス関連が止まっているかを確かめる習慣をつけることが重要です。
水漏れで出しっぱなしになる場合の問題
水を出しっぱなしにしたり、仮に止めていても水漏れしていて最終的に出しっぱなし状態になっていたりする場合があります。下記より水が出しっぱなしで起こる問題を解説していきます。
水漏れ、床下浸水
水が出しっぱなしだと水道代金やガス代金が高くなることを説明しました。それだけならまだしも、長い時間水を出しっぱなしにすることで、水漏れや床下浸水を起こしてしまい、その工事で高い金額がかかるケースがあります。
浴室の水道を出しっぱなしにすると洗い場に水が溜まって、最終的に洗面所に流れてくる場合があります。とりわけ賃貸のケースだと、洗面所のフローリングが持ち上がったり、階下に水漏れ被害が広がったりする問題へと繋がりがちです。
そうなると、フローリング部分や天井の張り替え修理が必要になります。加えて、階下にまで影響がいけば、天井に追加して畳や壁面まで修繕工事が必要になる場合があります。
工事料金の相場は、自宅のフローリングで約5万円、天井の修理工事で約20万円、壁面の張り替え修理で約10万円、畳の張り替え修理で約5万円が相場価格になります。
水道代金やガス代金とは比較にならないほどコストオーバーになるので、水道の締め忘れや水漏れ問題は侮れません。
カビ菌やシロアリの発生
お湯の出しっぱなし状態になると床面が湿ったままになります。湿った環境はカビ菌が増えるのに最適な環境です。カビ菌の増殖により変色や異臭などのトラブルも起こります。加えてとても面倒なのがシロアリの増殖です。
シロアリは家内に住みつき、最終的に木材がボロボロとなり家全体を建て替える必要が出てきます。お湯の出しっぱなし状態や水漏れ問題は、家自体の建て替えが必要になる程まで発展するくらいの大惨事といっても過言ではありません。
お湯の出しっぱなし予防法
お湯を出しっぱなしにした状態でも、ガスメーターによりオートストップされますが、それだけの水道料とガス料は当然請求されて、水漏れや床下浸水といった二次的被害になれば、より高い費用額が必要になることが分かったと思います。
こういった問題を根本から防ぐためには、ひとまずお湯を出しっぱなし状態にしない努力をすることが最も大事です。以下、お湯の出しっぱなし状態を防ぐためにできることを紹介していきます。
お湯の出しっぱなし状態を防止するために最適なのが、浴室に取り付けるオートセンサーやオートブザー機です。浴室のオートセンサーやオートブザーは、浴槽の水位が一定量を超えるとセンサーが稼働しアラーム音で通知してくれるものです。
ただし、外出している間はセンサーが稼働していても気づかないので、注意が必要です。
不安な人はオートセンサーやオートブザーを取り付けて、「外出する前には浴室のお湯を絶対出さない」といった規則を家族内で話し合っておくとよいでしょう。
ちなみに、最近ではIoT式家電といわれるスマホと自宅の家電をクラウド連携させるシステムを持つ家電製品が発売されています。それらの最新システムを上手に利用することで外出している間も水道のコントロールができるでしょう。
必要であれば、購入を考えてみることをおすすめします。
洗面所やキッチンでも予防しておこう
ここまでお風呂のお湯を出しっぱなしについて解説してきましたが、洗面所やキッチンでも同様に注意が必要です。
洗面所やキッチンのお湯出しっぱなし予防には、自閉タイプの水栓が最適です。
さまざま種類があり、後から付けられる種類や手を近づくと水が出されて一定のレベルで止まるセンサーで自閉する種類もあります。
しばしば温泉宿などでボタンを押すと一定のレベルで止まる水道やレバーを回している間だけ水が流れて、一旦手を離すと閉まる水道を見かけることがあると思いますが、同様のシステムを自宅に取り付けるのです。
ボタンを押すとオート機能が解除できるもの、工事が必要ない種類など多様な種類があるので、自閉タイプ水栓や後からつけられるオート水栓などでリサーチしてみるといいでしょう。
まとめ
この記事では、お湯の出しっぱなしでガスが止まるのかについて解説してきました。水道代やガス代についても紹介しましたので、事故シミュレーションができたのではないでしょうか。
事故が起こってからでは遅いので、早めに対策を立てておくと安心でしょう。ぜひ今回の記事内容を参考にしてみてください。
監修者
主任
甲斐 祐耶
《略歴》
2019年から株式会社N-Visionにて水道メンテナンス業に従事。
社内研修をクリアした高い専門性を有し、水漏れやつまりなどの水道トラブルを累計1,000件以上解決してきたプロフェッショナル。
業界未経験から実績を積み上げ主任に昇格し、お客様からの評判もよく、社内での信頼も厚い。
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