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水のコラム

油と洗剤はそのまま流したらいけない? 油や洗剤を安全に捨てる方法を紹介

2023年04月26日 キッチン


油と洗剤は日常生活で切っても切り離せないものです。どちらも日頃から頻繁に使用するため、その処理についても多くの人が実施しているでしょう。


そして、油と洗剤の処理として排水口に流す方法を取ってしまいがちですが、これらを排水口に流してしまうとトラブルが発生してしまうため、別の方法を検討する必要があります。


しかし、正しい処理方法が分からず困っている方も少なくないでしょう。


そこでこの記事では、油や洗剤を安全に捨てる方法について解説していきます。



水道に油を流すと発生する問題


まずは水道に油を流すと発生する問題について見ていきましょう。


排水口で発生する問題
油を水道に流すと、排水口に油が詰まる場合があります。排水口にたまった油は水の流れを妨げ、臭いの原因となります。


また、油が詰まると排水管の通りが悪くなって排水管の詰まりを引き起こす原因となるケースもあります。なお、このような問題が発生すると排水口の掃除や修理が必要となるため、油を水道に流すのは避けるべきでしょう。


自然環境で発生する問題
油を水道に流してしまうと自然環境にも悪影響を与える可能性があります。水面に浮いた油が海や川などの水辺に流れ出すと、魚や鳥などの生物に影響を与えて生態系を破壊する原因となるおそれがあります。


また、地下水にも影響を与えて水質汚染や地盤沈下の原因となる場合があります。そのため、油を水道に流すのは環境にとっても大きな問題となります。


水道に洗剤を流すと発生する問題


水道に洗剤を流すと、環境や人体に悪影響を与える問題が発生します。


洗剤は界面活性剤や合成香料などの化学物質を含んでおり、水質汚染や生態系への影響が懸念されます。また、人体への影響としては皮膚炎や呼吸器疾患などの健康被害が報告されています。


さらに、洗剤には環境に分解されにくい成分が含まれていることがあります。これらの成分は排水処理場に到達した際に行われる微生物による分解が難しいため、地下水や海洋に漏洩して生態系に悪影響を与える原因となります。


また、洗剤が水質汚染を引き起こすケースもあります。洗剤中のリン酸塩が排水中に含まれると、水中の無機塩素と反応してリン酸化合物を生成して藻の増殖を促進します。


これにより、水中の酸素が消費されて生態系に被害を与えるブルーバイオレットなどの藻類が繁殖する「赤潮」が発生するおそれがあります。


したがって、水道に洗剤を流さないようにする必要があるでしょう。なお、洗剤を使用する場合は指定された排水口や専用の処理設備を使用するなど、適切な方法で処理をするようにしましょう。加えて、自然由来の洗剤や石鹸など環境に配慮した製品を使用することも大切です。


油の正しい処理方法


続いて油の正しい処理方法について見ていきましょう。


新聞紙に吸収してから捨てる
油は水に溶けないため、排水口から流すと排水管を詰まらせる原因になります。


そして、新聞紙は油を吸収しやすい素材であるため、油の吸収が可能です。なお、油を吸収する前に食器に残った油をペーパータオルなどで拭き取っておくとより効果的でしょう。


牛乳パックを使って捨てる
牛乳パックは食品用のポリエチレンで作られており油に強いため、油を入れることができます。具体的なやり方としては、まず使用済みの牛乳パックに油を流し入れて口を折りたたみます。その後、市販のビニール袋などに入れて捨てれば作業は完了です。


ただし、一度に大量の油を入れすぎるとパックが破れるおそれがあるため、少しずつ油を入れるようにしてください。


凝固剤で固めて捨てる
油を凝固させる凝固剤を使って油を固めてから捨てる方法もおすすめです。


具体的な方法としては、まず油と凝固剤を混ぜ合わせてから固まるまで放置してください。そして、固まった油を市販のビニール袋などに入れて捨てましょう。


なお、凝固剤はホームセンターなどで手に入るため、所持していない方はぜひ購入してみてください。


リサイクル回収に出す
リサイクル業者に油を回収してもらう方法もおすすめです。油をリサイクル回収に出すと再び燃料や製品の原料として活用されるため、環境に優しい方法だと言えます。


なお、自治体のホームページや地域の情報誌などでリサイクル回収についての情報は確認できるため、お住まいの地域でリサイクル回収が行われているかチェックしてみてください。


洗剤の正しい処理方法


洗剤を使い切ったら、プラスチック容器や紙の包み紙などと一緒に捨てましょう。ただし、容器に残った液体がある場合は、液体を捨てる前に流水でしっかりとすすぐ必要があります。


また、洗剤は必要な分量だけを小分けにして使用できます。そして、小分けにした場合は使い切った後に空き袋を捨てれば処理は完了です。


なお、一部の自治体では、洗剤の容器や包み紙などを回収する取り組みを行っています。自治体のホームページや地域の情報誌などで、リサイクル回収についての情報を確認しましょう。


ちなみに、洗剤の中には水や石鹸を混ぜたものがあります。このような場合は、洗剤を再利用できます。ただし、再利用を行う場合は衛生面にも注意して使用するようにしましょう。


油詰まりが発生したら?


油詰まりが発生したら速やかに対処を行う必要があります。


そこでこのトピックでは、対処方法を3つ紹介していくためぜひ参考にしてください。


排水口にお湯を流す
油詰まりが発生した場合、まずは排水口にお湯を流し、油を溶かして排出する方法を試みましょう。


お湯を流すと固体であった油が液体となって排水管内をスムーズに流れるようになります。ただし、お湯だけで詰まりが完全に解消されるわけではないため、この点は注意が必要です。


また、油の詰まりが重度である場合は専門業者に依頼するか、DIYで処理する必要があります。そして、油の処理は地球環境にも影響を与えるため、適切な方法で処理するように心がけましょう。


ラバーカップを使う
油詰まりが発生した場合はラバーカップを使って詰まりを解消することができます。ラバーカップは、排水口を覆って吸盤のように力を加えて詰まりを解消する道具です。


使用方法はシンプルなものとなっており、排水口にラバーカップをかぶせて上下に何度か力を加えるだけです。


これによって油の塊や汚れが排水管内でほぐれて流れやすくなるため、効果的な対処法の1つだと言えます。ただし、ラバーカップを使用する際は、排水口周りの水を十分に抜いてから行う必要があります。また、力を加えすぎると排水管を傷つけることがあるため、注意が必要です。


パイプクリーナーを使う
パイプクリーナーを使って油詰まりを解消する方法も効果的です。パイプクリーナーには、化学薬品を含んだものや、生分解性の高いものがあります。


前者は効果が早い反面、環境に悪影響を与える可能性があります。後者は効果がやや遅いですが環境に優しいため、家庭での使用に適しています。


使用方法は商品によって異なりますが、基本的にはパイプに注いで一定時間した放置後にお湯を流すだけです。ただし、強力な薬品を含むものを使用する場合は、使用方法をしっかりと読んで指示に従ってください。


また、パイプクリーナーを使用しても効果がない場合や問題が深刻な場合は、専門家に相談することをおすすめします。


まとめ


油と洗剤はつい排水口に流してその処理を終えてしまいそうになりますが、排水口に流すと詰まりといったトラブルが発生するため、流さないように注意しましょう。


また、今回紹介した方法を参考にすれば問題なく正しい処理が行えるため、ぜひこの記事をおさらいしてみてください。


なお、油詰まりの対処は基本的には個人で対応可能ですが、場合によってはそれが難しいケースがあります。そして、こうした場合には無理をせずに業者に対応を相談しましょう。



監修者

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主任

甲斐 祐耶

《略歴》

2019年から株式会社N-Visionにて水道メンテナンス業に従事。
社内研修をクリアした高い専門性を有し、水漏れやつまりなどの水道トラブルを累計1,000件以上解決してきたプロフェッショナル。
業界未経験から実績を積み上げ主任に昇格し、お客様からの評判もよく、社内での信頼も厚い。
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